3限目:デザイン学 「デザイン学」ひらめきに触れる 那須アート旅

おとなのSTUDY TRIP in とちぎ

栃木県を舞台にした“大人の学び旅”、三限目は冬の那須へ。カルチャーが有機的に息づく黒磯エリアと、自然とアートが響き合う那須エリア──ふたつのエリアをゆったりめぐります。街や景色、触れるもののすべてにデザインの気配が漂い、感性のスイッチが自然とオンに。心が動くひらめきや、新しいアイデアに満ちた旅が始まります。

2025年12月11日(木)~24日(水)まで、
南青山の「スペースユイ」にて
【おやつ会議】を開催。

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1日目

spot 1 那須塩原市図書館みるるなすしおばらしとしょかんみるる

知の森に迷い込んだような、美しい図書館

旅の始まりは、駅前の図書館「みるる」。那須塩原市出身の建築家・伊藤麻理氏の設計で、館内に点在する言葉の彫刻や木の格子が美しいファサードなど、公共施設とは思えないほどデザイン性にあふれています。天井まで伸びる本棚や開放的な吹き抜けの空間の中、本やユニークなコピーを追いかけていると、まるで“知の森”に迷い込んだような気持ちに。併設の小さなカフェ「モリコーネ」でコーヒーを味わいながら、これから始まる旅に思いを馳せてみて。

「モリコーネ」では、森林ノ牧場さんの絶品ソフトリームが楽しめます。

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spot 2 御菓子司処 明治屋おかしどころ めいじや

レトロかわいい、「那須野ボッカ」にときめく

昔ながらの香りを残す老舗和菓子店へ。ショーケースに並ぶ和菓子の中、ひときわ目を引くのが「那須野ボッカ」。レトロなイラストパッケージが心をくすぐる、ブッセ生地のお菓子です。使っているのは、小麦粉とバターと砂糖だけ。素材の良さを生かしたシンプルな味は、“引き算のデザイン”そのもの。包み紙のフォントや色づかいにまで丁寧なこだわりを感じます。目に入るたびに心がほっこりするのは、デザインの力かもしれません。

Study Point

レトロなパッケージって、つい手に取りたくなりますよね。この「ボッカ」は、その素朴な版画デザインがたまらなくかわいい。ちょっと洋風で、でもどこか昭和のぬくもりもあって。箱を開けた瞬間のワクワクまでデザインされている気がします。見た目だけじゃなくて、素材のやさしさや甘さのバランスにも“丁寧な仕事”を感じました。

ボッカのパッケージに描かれているイラストは、那須で活躍されていた作家の五十嵐豊氏の作品だそう。

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spot 3 おいしい薬膳 白牡丹おいしいやくぜん はくぼたん

季節のめぐりと、身体の声に耳をすますカフェ

通称SHOZOストリートにある薬膳カフェでランチ。こちらでは、中医学をベースに薬膳を学んだ店主がつくる、薬膳プレートがいただけます。薬膳の理にかなった組み合わせは、デザインとしても美しく、食べることまでを含めて、ひとつのアートのよう。また、金継ぎや陶芸、占星術など感性を磨くワークショップも定期的に開かれ、感度の高い人たちが集う場所でもあります。「食べること」を通じて、日々をていねいにデザインする喜びを教えてくれます。

ワークショップの情報は、インスタグラムをチェックしてみて。

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spot 4 田川啓二美術館たがわけいじびじゅつかん

針と糸が描く、手仕事のアート

午後は、ファッションデザイナーであり、刺繍作家の田川啓二氏が手がける美術館へ。館内には、オートクチュールビーズ刺繡をアートとして昇華した作品が並び、ビーズやスパンコールが光を受けて静かに輝きます。黒柳徹子さんのステージ衣装を手がけたことでも知られ、館内では彼女のために制作された特別なドレスも展示。針と糸が織りなす作品は、繊細でありながら力強く、ここまでにかかった膨大な時間と手仕事の尊さに圧倒されます。この揺さぶられた感情のひとつひとつが、感性を磨いてくれるのかもしれません。

Study Point

ミュシャの作品をビーズで表現しているものがあって、思わず見入ってしまいました。若い頃、絵の練習でよくミュシャを模写していたので、運命のようなご縁を感じました。そして、世界の夜景をモチーフにしたドレスの中に「日本2020」を発見。その中に東照宮が描かれていて、ここで出会えるなんて…ちょっと感動でした。

ミュージアムショップやカフェも要チェックです。

spot 5 那須 無垢の音なす むくのね

自然とアートが呼吸する、静寂の宿

夕暮れとともに向かうのは、森の中の宿「那須無垢の音」。ここには、建築家・石上純也氏が設計した『水庭』があります。人の手でつくられながらも、土地の傾斜によって自然と循環している小さな池たち。人工と自然のあわいが美しいリズムとなって、静かに息づいているようです。かつてアーティストの滞在制作に使われていたB&Bの客室は、美しい余白を感じる心地よい空間。冬の森の静けさの中で、ひらめきが形を結ぶような、特別な時間が流れます。

Study Point

ずっと見てみたかった「水庭」。実際に訪れてみると、想像以上に静かで、息をのむほど美しかったです。人工的につくられた池なのに、まるで自然が最初からそこにあったみたい。一本一本の木がまるで会話しているようで、ずっと眺めていたくなりました。冬の光の中で、水面がきらっと光る瞬間が忘れられません。

2024、2025年と2年連続 1 ミシュランキーを獲得しているそう。

2日目

spot 6 LAILA art museumらいら あーと みゅーじあむ

色と線が奏でる、インド細密画の宇宙

2日目は再びアートから。インド細密画家のモハメッド・アリ・カーン・ゴーリ氏の美術館へ。インド細密画とは、16世紀から19世紀にかけてムガール帝国の宮廷やインド中部から西北部で描かれた伝統的な宮廷絵画です。ルーペを片手にのぞくその世界は、リスの毛で描かれた線の宇宙。じっくり見入っているうちに、微細な世界へと没入していきます。天然石の顔料が光を受けてきらめき、額装の重なりまでがひとつのアート。デザインの本質とは何かを、問わずにはいられないひとときです。
※1作品を除き室内は撮影禁止(今回は特別に撮影しております)

ピンクの展示室の壁は、モハメッド・アリ氏の故郷“ジャイプールの街”をイメージしているそう。

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spot 7 Restaurant cu-eri れすとらん くえり

日常に、ひとさじのスパイスと感性を

アートの余韻とともに向かうのは、フランスとアメリカのエッセンスを融合させた人気レストラン。スパイスの香りを軽やかに漂わせ、まるで一枚の絵のようなガレットが運ばれてきました。「料理は感性と感覚でつくるもの」と語るシェフ。野菜の表情を見て、その日のインスピレーションで盛りつけているそう。まさに料理とはアートそのもの。日常に少しスパイスを──そんな言葉がぴったりの、心を解き放つランチタイムでした。

Study Point

「料理は感性ですよね」というシェフの一言に、すごく共感しました。フランスとアメリカをベースにしながらも、スパイスの使い方が自由で、まるでキャンバスに色をのせるよう。お皿の上に物語があるというか、“おいしい”の先にある世界を見せてくれる料理。感覚で通じ合える時間って、うれしいですよね。

人気レストランなので、予約をしておくのが確実です。

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spot 8 TOMIGAYA Letterpress KUROISOとみがや れたーぷれす くろいそ

偶然のデザインがあたたかい、活版印刷のスタジオ

午後は、紙とインクの香りをたどって、活版印刷のスタジオへ。海外から集められた印刷機が並び、職人の手で一枚ずつ刷られていく活版印刷。木製活字など、今では貴重な道具たちが息づく工房です。わずかな“かすれ”や“ズレ”の中に、思いがけない美しさが生まれます。狙わずして生まれるゆらぎこそ、印刷の魅力。デジタル全盛の時代にあって、ここでは人の手のデザインが、とてもあたたかく輝いています。

Study Point

ここに来てまず思ったのは、「あの人を連れてきたい!」と思う顔が次々に浮かんだこと(笑)。ひとつひとつの活字が、まるで人の個性みたいで愛おしいんです。少しのかすれも味になっていて、完璧じゃないからこそ心に残る。同じ本でも、色味や印象がぜんぜん違っていて、本当にこの世に一冊だけなんだと思いました。最後は、直感で「これだ」と感じたほうを選びました。

2か月に一度変わる、店頭のPOP UPにも注目。

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spot 9 BARSMITHばーすみす

晩翠橋を望む、ロースタリーカフェへ
  • ※3Fのコワーキングスペース。料金は別途かかります。

日が傾き始めるころ、那珂川沿いに建つロースタリーカフェへ。バベルの塔をイメージした建物は、2階がカフェ、3階はコワーキングスペースとなっています。美しいアーチを描く晩翠橋を眺めながら、シングルオリジンのスペシャルティコーヒーをひと口。焙煎の香りと柔らかな光のグラデーションが、空間全体をひとつのデザインのように包み込みます。静けさの中で、今日見た色や形が頭の中でゆっくり浮かび上がってきます。たくさんインプットしてきたこの旅も、次が最後のスポットです。

Study Point

コーヒーの香りがすごく印象的でした。丁寧に焙煎された豆の香ばしさと、少し冷たい冬の空気が混ざる感じが好き。クッキーも、素朴だけどちゃんと主役級のおいしさ。大きな窓の外に川が見えて、静かな時間が流れていました。こういう場所でひとり考えごとをするの、最高のぜいたくかもしれません。

テイクアウトをして、ドライブのお供にするのもいいかも。

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spot 10 DEAR, FOLKS & FLOWERSでぃあ ふぉーくす あんど ふらわーず

花屋という枠を超えた、アートと感性のアトリエ

旅の締めくくりは、黒磯の街角にある花のアトリエへ。壁一面に描かれた花の絵は、オーナーの樋爪氏がフランスのアーティストに描いてもらい、大切に持ち帰ったもの。オーナーは、デザイナーとしての経験と海外で培った感性を生かし、花を“売る”のではなく、“選ぶ”、“飾る”という時間そのものを提供しています。ロスフラワーを通して、サステナブルな世界にふさわしい新しい価値を発信しています。
デザインもアートも、かたちをつくることだけでなく、人や自然、時間をつなぎ豊かにするためのもの。この二日間で出会った景色や想いが、自分の中で重なり合い、感性が更新されていく─そんな変化こそが、“デザインを学ぶ旅”のいちばんの贈りものかもしれません。

Study Point

花をきっかけに、人と人、街と文化がゆるやかにつながっていく感じがとても心地いい。オーナーの樋爪さんの活動には、本当に共感します。花を売るだけでなく、暮らしのなかにアートやデザインを根づかせていく。その姿勢に、これからの時代の“やさしい美しさ”を感じました。

冬は寒暖差で花が傷みやすいので、切花を持ち帰る際は気をつけて

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  • 1限目:日本史学
  • 2限目:哲学
  • 3限目:デザイン学
  • 4限目:醸造学