ドラマの舞台を歩き、近代日本のはじまりを体感。明治ロマンの面影を訪ねる旅。西洋文化を取り入れながら、新しい日本を模索した明治の人々。その挑戦の舞台となったのが、中央からも大きな注目を集め、国家規模の開拓が進められた那須野が原です。日本遺産「明治貴族が描いた未来」を手がかりに、建築や文化に宿る面影や、連続テレビ小説「風、薫る」(NHK)の舞台にもなった地をたどりながら、激動の時代に生まれた理想とロマンをひも解きます。
スペシャルクーポン
当日使えるスペシャルクーポンも!最後までスクロールしてチェック。
spot 1 那須野が原博物館なすのがはらはくぶつかん
「那須野が原の開拓と自然・文化のいとなみ」をテーマに、歴史・民俗・自然・美術・文学まで幅広く地域文化を紹介するミュージアム。近代に関しても、巨大な那須疏水旧取入口模型や開拓ジオラマ、実際の資料展示を通して、"水のない荒野"だった那須野が原が、明治の華族や実業家たちによってどのように拓かれていったのかを、立体的にひもといていきます。単なる地域史にとどまらず、日本の近代化そのものと深く結びついたこの地の物語。日本遺産「明治貴族が描いた未来」や連続テレビ小説「風、薫る」の主人公のモチーフとなった大関和(おおぜきちか)の生きた時代の解像度が一気に上がる——この旅のはじまりに、まず訪れたい一館です。


地元育ちなので、疏水についてはオリジナルのアニメなどを通して、小学生の頃から学んできた記憶があります。那須疏水旧取入口を1/2サイズで再現した巨大模型は迫力満点で、当時に思い描いていた風景が一気に現実のスケールで立ち上がってくるようでした。改めて自分が生まれ育った土地について、想いをめぐらせる貴重な時間となりました。
無料エリアには、青木周蔵や松方正義ら華族たちの別荘模型も展示。
spot 2 那須千本松牧場なすせんぼんまつぼくじょう
動物とのふれあいやグルメが人気の有名な観光スポット。けれど、その広大な風景の奥には、那須野が原開拓の歴史そのものが広がっています。ここを開いたのは、内閣総理大臣も務めた公爵・松方正義。1885年に那須疏水が開通すると、"水のない荒野"だった土地に、西洋式の大農場を築きました。現在も敷地内には松方家の別邸が残り、ご子孫によって受け継がれているそう。歴史を知れば知るほど、美しい牧場の風景に、未来をつくろうとしていた時代のロマンを感じることができます。
※トーストはレストランでの取り扱いはなく、特別に試食しています。


那須野が原の開拓史を調べる中で、千本松牧場は西洋式農場経営の象徴であり、緬羊として羊を育てていた歴史があったことを知り、とてもご縁を感じました。時代は違っても、この土地で"ひつじ"に関わっていることが不思議とうれしいですね。ミルクコーヒーは絶品でした。
広大な敷地を回るには自転車が便利。
spot 3 ふるさとにしなす産直会 農村レストランそすい庵ふるさとにしなすさんちょくかい のうそんれすとらんそすいあん
那須疏水のほど近くにある「農村レストラン そすい庵」。店内では、疏水の流れを利用した水車で挽いたそば粉を使った、香り豊かな手打ちそばを味わうことができます。たっぷりの清らかな水で茹で上げられたそばは、まさに"水がおいしい土地"ならではの味。開拓によってもたらされた豊かな水が、今の食文化へとつながっていることを実感できます。隣接する直売所には、新鮮な地元野菜もずらり。那須野が原を潤した疏水の恵みを、実際に手にすると感動もひとしおです。


"そすい庵定食"は、おそばに天ぷら、炊き込みごはん、小鉢まで付いてかなり満足感。特におそばは、みずみずしくて香り高く、水のおいしさをそのまま味わっているよう。天ぷらもサクサク。人気店なので、早めに行くのがおすすめです。
お隣の「お食事処そすい亭」は2026年4月オープン。那須郡司豚や那珂湊直送の魚介類が楽しめます。
spot 4 旧青木家那須別邸きゅうあおきけなすべってい
杉並木の先に現れる、白亜の美しい洋館「旧青木家那須別邸」。明治時代にドイツ公使や外務大臣を務めた青木周蔵が、那須野が原の開拓拠点として築いた別荘です。蔦型のスレートが美しい外壁の繊細な装飾やテラス越しに広がる花々の景色は、まるで西洋映画のワンシーンのよう。内部には和の感性も息づき、明治という時代ならではの"和洋折衷の美意識"を感じさせます。疏水によって拓かれた土地に、華族たちはどんな未来を夢見たのか。そんな近代史のロマンに、そっと触れられる場所です。


旧青木家那須別邸は、和の空気の中にどこかドイツっぽい雰囲気を感じるのがおもしろいんですよね。華族風のコスチューム体験もできるので、当時の空気をちょっと追体験できるのも楽しいですよ。
別邸前にある庭「ハンナガーデン」では、4月は菜の花、8月はひまわり、10月はコスモスが楽しめます。
spot 5 那須疏水公園なすそすいこうえん
日本三大疏水のひとつである、那須疏水の旧取水施設を間近に見ることができるこちら。那珂川右岸から取水された水は、千本松へ至る約16キロの本幹水路と4本の分水路、さらに無数の支線を通じて、約1万ヘクタールもの那須野が原を潤しました。断崖を削り、トンネルを掘りながら進められた大工事は、明治18年の着工からわずか半年あまりで通水したともいわれています。静かに流れる水を眺めていると、"水のない荒野"を未来へ変えようとした、明治の人々の挑戦の跡が、今もこの土地に深く刻まれていることを感じます。


"水のない荒野に水を引く"って、今聞いても途方もない話じゃないですか。でも、それを明治の人たちは本当にやり遂げてしまった。しかも、ものすごい短期間で。疏水って単なるインフラじゃなくて、"未来を変えたい"という夢そのものだったんだなって感じます。
「日本三大疏水」とは、栃木の那須疏水の他、福島の安積疏水、京都の琵琶湖疏水を指します。
spot 6 湯治温泉リトリート宿板室別邸SPA 和薬草とうじおんせんりとりーとやどいたむろべっていすぱわやくそう
夜の宿は、古くから"下野の薬湯"として知られる板室温泉に佇むリトリート宿。約965年もの間、湯治場として人々の病や疲れを癒やしてきた、自家源泉かけ流しの湯が自慢です。呼吸や自律神経を整えるリトリート体験とともに、心身をゆっくり解きほぐしてくれます。実は、大関和も晩年、那須の地で湯治をしていた記録が残っているのだとか。静かな森と湯に包まれながら、時代を超えて続く"湯で心身を整える知恵"に身を委ねてみて。
オリジナル手技療法、食事療法、湯治療法、森林浴療法、瞑想療法、ヨガ療法などを通して、自律神経を整えることができます。
spot 7 道の駅 那須与一の郷みちのえきなすのよいちのさと
大田原の名産品や新鮮野菜がそろう「道の駅 那須与一の郷」。日本一の産地として知られる唐辛子グルメや地元食材はもちろん、今は大関和にちなんだ限定メニューも話題です。なかでも注目は、大関和が好んだとされる"パン・ペルデュ(フレンチトースト)"をイメージしたジェラート。どこか西洋文化への憧れが漂う味わいに、明治という時代のハイカラな空気を感じます。情報館では関連展示も開催されており、旅の締めくくりやお土産探しにもぴったりのスポットです。
大関和にちなんだ限定メニュー「大田原御膳」や「チーズ饅頭」なども要チェック。
spot 8 大関和記念碑おおぜきちかきねんひ
2026年3月、連続テレビ小説「風、薫る」の放送をきっかけに建てられた「大関和記念碑」。場所は黒羽小学校のそば、かつて大関和の生家があったとされる地です。父・大関増虎は黒羽藩主に仕えた家老で、この周辺には今も城下町の静かな面影が残ります。黒羽城址にもほど近く、歩いていると、幕末から明治へ揺れ動く時代の空気がふっと立ち上がるよう。ひとりの女性が未来へ踏み出したシンボルに、そっと触れられる静かな場所です。


黒羽小学校って、実は門もすごいんですよ。黒羽藩の重臣・大沼家の侍門が移築されて残っていて、"本物の城下町だったんだ"って実感できます。さらに、昔の講堂の格天井も大切に受け継がれていて、建物や風景を通して、歴史が今につながっていることを感じられます。
2026年3月1日に完成した記念碑。駐車場は黒羽小学校の駐車場でもあるので、出入りの際はお気をつけて。
spot 9 大雄寺だいおうじ
黒羽藩主・大関家の菩提寺として知られる「大雄寺」。国の重要文化財に指定された茅葺きの仏殿や庫裏、回廊が厳かに並び、その荘厳な景観はまるで時代劇の世界のよう。実際に連続テレビ小説「風、薫る」の撮影も行われたそうです。現在は保存修理も進められており、貴重な文化財を未来へ受け継ぐ営みも見ることができます。この寺のほど近くで育った大関和も、きっと幼い頃からこの空気に触れていたはず。静かな境内を歩くと、明治の空気が今もどこかに漂っているように感じられます。


文尭御住職とは日頃から親しくさせていただいているのですが、とても気さくでお話が上手な方です。ITエンジニアから僧侶へと転身されたご経歴をお持ちで、歴史や禅のお話も驚くほどわかりやすく、つい引き込まれてしまいます。番組の撮影でこちらが使用された際には、大雄寺さまをサポートさせていただき、そうしたご縁もあって、今も交流が続いています。
本堂には「枕返しの幽霊」という不思議な掛け軸があり、堂内拝観(要予約)で見ることもできます。
spot 10 黒羽城址公園くろばねじょうしこうえん
約6,000株の紫陽花が咲き誇る「黒羽城址公園」。ここは江戸時代、黒羽藩・大関家の居城が置かれていた場所でもあります。園内には今も土塁や空堀が残り、往時の城の面影を感じることができます。藩校「作新館」を持っていた黒羽藩は、学問や新しい文化を積極的に取り入れていた土地。幕末には藩主・大関増裕が海軍奉行などを務め、西洋文化や蘭学にも関心を寄せていたといいます。時代の変化を柔軟に受け入れてきた黒羽のモダンな空気は、大関和の感性にもどこかつながっているのかもしれません。


黒羽藩の藩校『作新館』って、実は宇都宮の作新学院の名前のルーツにもつながっているんですよね。自分もこの土地の出身なので、黒羽という地域が持つ時代を前向きに受け入れてきた気風を改めて誇らしく感じます。
黒羽は、松尾芭蕉が『奥の細道』の旅の中で、13泊14日という最も長い期間滞在した土地として知られています。
spot 11 ひつじ珈琲 大雄寺店ひつじこーひーだいおうじてん
旅の最後は、大森さんが営むカフェで、ゆっくりと一息。大きな焙煎機が佇む空間には、珈琲の香りが静かに満ちています。大雄寺とのコラボから生まれた「ゼンナブレンド」とともに味わいたいのは、大関和ゆかりの"パンペルデュ"や、大関和の著書『実地看護法』にも登場するオートミールを使った素朴なスイーツたち。 価値観も暮らしも、ものすごい速さで変わっていった明治という時代。教科書の中の遠い話のようでいながら、各地に残る面影を通して見つめると、不思議と手が触れられそうな近さを感じます。歴史とは、遠いどこかの出来事ではなく、この土地や暮らしの中に脈々と息づき、今へ続いているものなのだと、そっと教えてくれる旅でした。


もともとこの建物は祖父が建てたものなんです。それをリノベーションして、今のカフェにしました。昔からこの場所に流れていた時間や空気感を、なるべく残したかったんですよね。『ゼンナブレンド』は、大雄寺さんとの"禅と珈琲"という取り組みから生まれたブレンドで、静かに心を整えるような飲み心地をイメージしています。
お土産には「大関パンペルデュラスク」とドリップパックを組み合わせたセットがおすすめ。





















































































































