栃木県を舞台とする、おとなの学び旅へでかけませんか?各分野で活躍するユニークな講師陣による4つのSTUDY TRIPをご用意。一限目は、室町時代から近代まで、世界遺産日光をダイナミックに俯瞰する歴史学。ふつうの観光では物足りない知的好奇心を刺激します!

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spot 1 滝尾神社たきのおじんじゃ
日光東照宮の脇道を登っていくとたどり着く小さな神社。緑に囲まれた素朴な参道は、歩くほどに神聖な気持ちに。こちらの創建は、約1200年前。弘法大師(空海)によるものといわれ、日光山開山の原点として、「聖地・日光」はこの場所から始まったといえます。境内には、石造りの鳥居を使った“運試し”の仕掛けも。ボールを投げて運を占ってみて。さらに本殿の裏側にまわると扉が。その扉を開けた先に見えるのは、ご神木。まさにこの神社が、ご神木そのものを祀る特別な場所であることがわかります。


大きな決断を前にすると、いつもこのご神木の前に立ち、心を落ち着けます。不思議と、霧が晴れるように進むべき道のヒントが見えてくるんです。県外から友人が訪れたときにも、まず最初に案内します。言葉では表せないような、原初のスピリチュアルな力を、ぜひ感じてみてほしいです。
二社一寺周辺に車を停めて、歩いて詣でるのがおすすめ。歴史を感じる古道が神秘的です。
spot 2 日光東照宮にっこうとうしょうぐう
きらびやかな彫刻や豪華な建物が立ち並ぶ日光東照宮。まさに「日光を見ずして結構と言うなかれ」と言いたくなるほどの壮麗さです。本殿のさらに奥に進むと、徳川家康公が眠る「奥宮(おくみや)」があります。夏の陽射しのなか、207段の石段を上るのは少々骨が折れますが、その先に広がる空間は、まるで別世界。人の気配がすっと遠のき、静寂と神聖さに包まれるような感覚が訪れます。風水的にも“気”が集まりやすいとされる特別な地に建てられた奥宮は、日光山の大自然と調和するように佇み、訪れる人の心をそっと整えてくれます。東照宮随一のパワースポットとして、多くの人に親しまれている理由を、きっと体感できるはずです。
奥宮までは意外とハード。ご自分の体調や体力と相談して、休みながらGO。水分補給もお忘れなく。
spot 3 日光珈琲 御用邸通にっこうこーひーごようていどおり
かつて大正天皇も通られた、由緒ある御用邸通り。歴史ある街並みに佇むのが、こちらの商家造りのカフェです。戦前の商家をリノベーションした店内は、どこか懐かしく、まるでタイムスリップした気分に。名物のかき氷には、四代目徳次郎の日光天然氷を使用。こだわりのシロップがたっぷりとかかった、まさに贅沢な一品。オーナー自ら氷の切り出しにも参加しているという本気ぶり。そしてもうひとつの主役は、自家焙煎のスペシャリティコーヒー。歴史の香りとともに、テイクアウトしても。


チェコ出身の建築家で、フランク・ロイド・ライトに師事し、帝国ホテルの建設など日本の建築界に大きな影響を与えたアントニン・レーモンドが好きで、カフェ奥の空間は彼が手がけた葉山の「海の家」にオマージュを捧げてリノベーションしました。カフェ店内にそっと佇む“獏”の存在もお見逃しなく!
この通りの先にある「日光田母沢御用邸記念公園」に立ち寄るのもいいかも。
spot 4 日光山 輪王寺大猷院にっこうさん りんのうじたいゆういん
こちらは、三代将軍・徳川家光公の霊廟。祖父・家康公を深く敬愛していた家光公は、亡くなった後もその想いを示すかのように、日光東照宮の方角を向いてこの地に祀られました。「家康公を凌いではならない」という家光公の遺言に従い、金と黒を基調とした重厚で落ち着きのある建築様式が特徴。日光東照宮の華やかさとは対照的に、控えめながらも深い精神性を感じさせる佇まいです。また境内には烏摩勒伽(うまろきゃ)様が祀られ、その手にする矢を模した破魔矢には、昇り龍の彫刻が施され、悪を祓い、願いを叶える力があるとされています。ご一生守ってくれる御守りとして、ぜひ授かってみて。


初めて訪れたのは、小学校に上がる前だったかも。それ以来ずっと、大猷院が一番お気に入り。輪王寺では本堂(三仏堂)が注目されがちですが、ここは比較的人も少なく、ゆっくりと楽しめる穴場。日光東照宮との対比を楽しんで。
山のアップダウンを利用した境内だから、景色がすごくドラマチック。
spot 5 日光千姫物語にっこうせんひめものがたり
世界遺産「日光の社寺」から徒歩6分、かつて北白川宮の別邸があった景勝地に建つ静かなお宿。全室和室の大きな窓からは、日光連山や大谷川の四季折々の自然美が広がります。三方に窓を配した特別室からは、神橋や大谷川沿いの美しい風景を堪能できます。 宿の自慢は、農林水産大臣賞を二度受賞した平井料理長による本格会席料理。地元の旬素材を用い、一品一品心を込めて手作りされています。G7歓迎レセプションでも腕を振るったその味は、まさに芸術。さらに、日光名物「松月氷室」のかき氷も味わえる隠れた名所。混雑を避け、ゆったりと味わえる贅沢なひとときをお過ごしください。
由緒正しき旅館といったお宿、古き良き和の精神を感じます。
spot 6 明智平ロープウェイあけちだいらろーぷうぇい
真夏でも涼やかな風が吹く日光。夏の展望台の最高気温はおよそ22℃というから、まさに避暑地。その全景を一望できる展望台へは、約3分のロープウェイでアクセス。緑の中に浮かぶ中禅寺湖や華厳滝の姿、まさにここだけでしか味わえない絶景を楽しめます。展望台のある「明智平」という地名には、かつて明智光秀が秀吉に敗れた後、天海として生き延び、日光で最も美しいこの場所に自らの名を刻んだという伝説も。なお、ロープウェイは今後リニューアルを予定しているため、最新の運行情報に御注意ください。
いろは坂の途中に位置しているので、 休憩スポットにぴったり。
spot 7 ZEN RESORT NIKKOぜんりぞーとにっこう
奥日光で唯一、グランピングフィールドに併設されたカフェダイニング。おすすめは、霧降高原牛を使用したビーフ100%のハンバーグステーキ。ナイフを入れた瞬間にあふれる肉汁と、濃厚で深みのある旨みがたまりません。中禅寺湖と男体山を望む開放感あふれるロケーションも魅力のひとつ。湖畔を渡る風を感じながら、心地よいランチタイムを堪能していると、旅の疲れがリセットされていくよう。また、日光市足尾町にある養殖場(有)神山水産で養殖されたブランドニジマス「頂マス」のポアレなど、地域食材を活かしたメニューも豊富。奥日光ならでは景色とメニューをぜひ。
SUPや釣りなど、中禅寺湖でのアクティビティも行っているので、気になる人はチェックしてみて。
spot 8 イタリア大使館別荘記念公園いたりあたいしかんべっそうきねんこうえん
1928年に建てられ、1997年まで歴代のイタリア大使が夏の別荘として使用していた「旧イタリア大使館別荘」。アントニン・レーモンドが設計を手がけています。外装・内装には地元産の日光杉を使った「杉皮張り」を採用。なかでも外装の市松模様は、レーモンドの美意識が光るディテール。「地元の材料と職人技で建てるからこそ面白い」と語っていたとも伝えられています。明治中期から昭和初期にかけて、この中禅寺湖畔には40棟以上の外国人別荘が建ち並び、「夏は外務省が日光に移る」と言われたほど。湖畔からの眺めも格別です。


私自身のカフェづくりにも、アントニン・レーモンドの考え方や美意識が色濃く影響しています。いわば、心の中の師匠のような存在。この建物に宿る美しさは、まさに栃木県が誇る、日本の宝といっても過言ではありません。
県営歌ヶ浜駐車場(有料)から徒歩約15分かかるので、体力と時間に余裕をもって訪れて。
spot 9 Girouetteじるえっと
渡仏経験を持つオーナーシェフが営む、カジュアルながらも本格的なフレンチレストラン。地元・日光産の食材や季節の旬をふんだんに取り入れた料理は、どれも丁寧な仕事が光ります。コース料理はもちろん、気軽に楽しめるアラカルトメニューも充実。近くにお泊りなら、ぜひワインとのペアリングを楽しんで。温もりのある接客と、日光彫を取り入れたテーブルコーディネートが、特別な時間を演出。地元の常連客から観光で訪れた方まで、幅広い人々に愛されるレストランです。
ディナーは予約必須!道路向かいの姉妹店では、パンやスイーツ、デリのテイクアウトも。
spot 10 日光金谷ホテルにっこうかなやほてる
宿泊するなら、「別館 ROYAL HOUSE」へ。1935年に建てられた木造3階建ての建物で、105号室はなんとあのヘレン・ケラーが宿泊した特別なお部屋。照明や窓枠、窓は当時のまま残っており、2つの大きな窓からは美しい景色を一望できます。また滞在中にぜひ立ち寄りたいのが、「バー・デイサイト」。冬には暖炉に火が入り、夏でもどこか燻されたような香りが漂う、趣のある空間です。真空管アンプから流れる心地よい音楽とともに、時を忘れるようなムードあふれるひとときをお楽しみください。歴史と空気感が重なり合う、忘れられない一夜を約束してくれます。
本館のロビーから階段を上った先は、和洋折衷が感じられるユニークなフォトスポット。 お見逃しなく!
spot 11 足尾銅山観光あしおどうざんかんこう
かつて「日本一の鉱都」と称され、400年にわたり繁栄を極めた足尾銅山。1973年に閉山してから50年以上の時が流れました。現在はその歴史を伝える坑内観光施設として、誰でも見学することができます。トロッコ電車に揺られ坑道へ。その先は徒歩で、ぽたぽたと雫の落ちる薄暗いトンネルを進みます。坑内には、採掘現場で働く人々の姿が年代ごとにリアルな人形で再現され、当時の過酷な労働の様子が静かに語られています。日本の近代化を支えた栄光の記録と、その裏にある厳しい現実。閉山後の静けさが、まるで時が止まったかのような空間で、歴史の重みと儚さのコントラストを強く感じさせます。


足尾銅山は、かつて日本の近代化を支えた重要な場所でした。その歴史を辿ることで、単なる観光を超えて、日本が歩んできた道のりや、そこで生きた人々の想いに触れることができます。今は閉山し、静けさに包まれていますが、だからこそ、当時の熱気や息づかいがより強く感じられる気がします。この場所に立つと、日光という土地が持つ奥行きと重み、そしてこれからの未来への可能性まで思いを巡らせたくなりますね。
トンネルの中は夏でも肌寒いことも。上着を忘れずに持っていって。
spot 12 さんしょう家さんしょうや
ランチにおすすめなのが、名前のとおり山椒を存分に味わえるこちらのお店。足尾地域で採れた自家製の山椒を唐揚げや照り焼きにふりかければ、ピリリと爽やかな刺激が加わってクセになる味わいに。初めての方はきっと驚くはず。さらにぜひ味わってほしいのが、山椒を使ったシフォンケーキ。ほんのり香る山椒が意外なほどスイーツとマッチして、あとを引く美味しさ。新しい日光の魅力に出会える一軒です。
辛さが苦手な方はお店の方に伝えたら、調整してくれます。
spot 13 日光茶寮にっこうさりょう
『日光八景』のひとつ「小倉春暁」の地に佇む、風情あふれるカフェ。日光連山の伏流水を地下40メートルから汲み上げ、日光東照宮に献上している由緒ある霊水「東照水」で淹れたこだわりのお茶と、季節を感じる料理が自慢です。自然を間近に感じられるカウンター席で鳥のさえずりや風の音に耳を傾けながら、心ほどけるひとときを楽しんで。 お隣は、弓馬術礼法小笠原流の教場「弓心館」と日光東照宮の神馬が飼われる「日光乗馬センター」。自然と文化が調和したこの空間は、日本の奥ゆかしさを全身で感じられる特別な場所です。
一番人気は、「石鎖雲 岩茶(せきさうん がんちゃ)」。 岩骨花香(がんこつかこう)と呼ばれる香りが特長の烏龍茶です。
spot 14 日光みそのたまり漬 上澤梅太郎商店にっこうみそのたまりづけ・うわさわうめたろうしょうてん
日光のお土産にぴったりなのが、地元の味が詰まった「たまり漬」。味噌づくりの過程で生まれる“たまり”という濃厚な上澄みに、野菜をじっくり漬け込んだ、深い旨みと香りが特長の漬物です。かつては各家庭で手づくりされていたこの漬物を、1940年代後半に商品化したのが、こちらの「上澤梅太郎商店」さん。ごはんのお供にはもちろん、パスタや炒め物などの洋風メニューにアクセントとしてもおすすめ。ギフト用の箱入りも充実しています。日光の風土と歴史がぎゅっと詰まった、ちょっと粋なお土産です。
店内にセレクトされた雑貨や書籍もセンス抜群。お店から発送できるのもありがたい。
spot 15 日光杉並木街道にっこうすぎなみきかいどう
日光杉並木街道の植樹が始まったのは、1625年頃とされ、2025年には、ちょうど400年の節目を迎えます。背の高い杉の木々がつくる並木道は、夏には涼しさを、冬には風雪をしのぐぬくもりを与えてくれます。雨の日さえも、歩く人の心をそっと和らげてくれる優しさがあります。自然とともに生きた昔の人々の知恵と、日光の深い歴史を感じながら、400年の時の流れに思いを馳せて歩くひととき。その静けさにふれた帰り道には、きっとこう思うはずです――「また、歩きに来よう」と。


神域・日光へと続くこの杉並木には、静かな神聖さが漂っています。高校時代、友人と歩いた思い出があり、大人になってからもスタッフたちと一緒にこの道を改めて歩いた記憶がよみがえります。 車の中から見るだけではもったいない。少しでも歩いてみることで、約400年の時を刻んできた空気、その重みを肌で感じることができます。歴史と自然が織りなすこの道に、ぜひ一歩、足を踏み入れてみてください。
車を停めて散策するなら、「杉並木公園」がおすすめです。