鉄道 第1章 悪友2人の栃木鉄道旅 前編
映画大好きなベンと音楽大好きなカッペイ、同じ59歳の悪友2人の栃木旅行をレポートします。
ベン「なぜ栃木なんだ?」
カッペイ「そこに鉄道があるからさ」
スケジュールをガチガチに決める旅よりも、テーマだけ決めて自由に旅するのが好きな我々は、今回「鉄道」をテーマに情報収集。
結果、JRだけでなく様々な私鉄やSLまでもある栃木を目的地に設定。東武浅草駅から一路北へと向かいます。
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9:00
1日目 出発〜スペーシアx〜日光へ。
直前まで台風が直撃する予報だったのに、当日はドピーカンの快晴。さすが筋金入りの晴れ男。
ベン「俺がね」
カッペイ「俺だが?」
乗車するのは近未来チックな新型特急「スペーシアX」。わずか1時間50分で浅草から日光へ。
カッペイ「窓がXを象ってるなんて、ロケットみたいでワクワクするね!」
ベン「オレの脳内にはあのSF映画のテーマが流れ始めたよ!」
(ハイ、凸凹ロボットコンビが登場するあの映画のことです。)
豪華なラウンジがあるという車内アナウンスを聞き、ダッシュで先頭車両に向かう2人。まさに『走るパノラマ・ビュー・ラウンジ』と呼ぶに相応しい仕様は、旅の始まりを演出するには最高のおもてなし。 「ニクイぞ、東武鉄道!これから始まるオレたちの3デイズも大いに盛り上げてくれるに違いない!」…と思いきや!
ラウンジ内のシートは1か月前に予約と同時に完売とのことで座れず、残念!
栃木のクラフトコーラ「ニッコーラ」と栃木県産りんご果汁100%の「完熟りんご物語」をゲットして座席に戻った2人。ドリンクと車窓の風景を楽しみつつ、無事東武日光駅に到着。
駅前にはこんなスポットも。
ポツンと展示された路面電車。昭和28年から15年間、日光駅から馬返までほんの10.6kmを運行した東武鉄道日光軌道線の1両。
いかにもレトロな味のあるデザインに惹かれてパシャリとしたり、「日光のおいしい水」が自由に飲めるスポットがあったり。
ミネラルウォーターみたいな軟らかい水で、本当に美味しかったです。しっかり空のペットボトルに入れました!
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11:00
日光そば処 たくみ庵
今夜の宿、レトロな雰囲気の「ニッコーステーションホテルクラシック」に荷物を預け、レンタカーで「日光そば処 たくみ庵」に向かいます。
まずは腹ごしらえと情報収集!お店の前には国内外の観光客で行列が。
日光の名水で打ったという、
ベン「蕎麦最高!」
ご主人が自ら採ったという、
カッペイ「山菜の天ぷら最高!」
そしてデザートの、
2人「そば茶のブランマンジェとそばの恵み(ゼリー寄せ)も最高!」でした。
で、この店のイチ推しメニュー『田母沢御膳』が英語メニューだと『Emperor’s Soba Set』なのが不思議で、ご主人を呼び止めたら、「かつてこのお店の辺りが皇室の田母沢御用邸の馬場だったから」というウンチクに始まり、 「鉄道旅なら近くに古い橋の遺構がありますよ」という貴重な情報まで聞かせてくださいました。(お忙しい中、引き留めてすみませんでした!)
こちらが、お店のすぐそば(シャレじゃありません)、田母沢橋梁。
何気ない風景だけど、駅前に展示されていた日光軌道線電車(駅前のあの電車!)が走っていたというエピソードを聞くと、
一気に感慨深いものに変わる。 んんん、これが旅の醍醐味です!
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13:30
わたらせ渓谷鐵道
レンタカーで移動し、今日のメイン「鉄道」イベント、「わたらせ渓谷鐵道」で自然溢れる日光の山沿いを走る鉄道を楽しもうと通洞駅へ。ワクワクしつつ駅舎に入ると目に飛び込んで来たのが、
まさかの「運休」のお知らせ。前週の大雨の影響で全線運休でした。さすがの晴れ男パワーも、鉄道ダイヤには届かなかった!
(※現在は通常通り運行しております。運行状況はHPをご確認ください。)
気を取り直し、再訪を誓って前向きにグータッチしていた2人、構内で「御朱印帳」ならぬ「鉄印帳」を発見。駅員さん曰く、「わたらせ渓谷鐵道」だけでなく、全国40の地方鉄道がオリジナルデザインの鉄印を作っているのだとか。
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14:00
足尾銅山観光
「鉄道旅」をさらに楽しめそうなアイテム「鉄印帳」をゲットし、駅から徒歩5分の場所にあるという足尾銅山へと向かいます。
ベン「足尾銅山って、社会科で勉強したけど…」
カッペイ「名前以外は覚えてないかも…」おお! レトロな入り口!
修学旅行の小学生たちの喧騒、そして昭和な展示。トロッコで銅山に向かう2人、ワクワクが止まりません。笑
坑道に入ると一気に気温が下がる。広がる暗闇とトロッコの振動。
カッペイ「考えてみたら、これも鉄道だよね!」
ベン「洞窟の中を進むトロッコと言えば、カウボーイハットと鞭がトレードマークの『あの映画』でしょ!」
カッペイ「チャーンチャラッチャーン、チャーンチャラーーン♪」
自分たちが小学生のように騒ぐ59歳……。
坑道内ではトロッコを降り、徒歩で歩きながら銅山の歴史を学べる構成。延々と続く低い天井のトンネル内には、動いては喋る当時の坑夫たちのリアルな人形が随所に展示され、臨場感を持ってその時代の様子が体感できる。現在、世界遺産登録を目指しているとのこと。
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17:00
日光駅周辺散策〜日光人形焼 みしまや〜
カッペイ「次はどこ行く?」
ベン「17時までに日光駅に戻りたいんだけど」
そう、何よりも和菓子好きなベン、「行き当たりばったりの鉄道旅」と言いつつ、事前に和菓子の名店だけはチェック済み。17時に店が閉まるということで、レンタカーで急ぎ日光駅方面へ。
ベン「ここ! みしまやの人形焼き!」
小走りに店に向かうと、まさかの売切れ終了。明日再訪することを誓い、初日を終了。
ホテルに戻るのでした。
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8:00
2日目 出発 日光二荒山神社へ。
午前6時。
普段より早く目が覚めてしまうのは旅のお約束。朝食の時間まで1時間もあるので、ホテルの天然温泉でサッパリしようと大浴場に入ると、
カッペイ「…あ!」
ベン「…うす!」
59歳のオッサン2人が考えることは一緒。朝風呂を満喫し、2日目の旅に出発!
まずは駅前からバスに乗ること15分、「日光二荒山神社」の入り口へ。
この「日光二荒山神社」〜「日光東照宮」エリアは、今年で世界遺産登録25周年なのだとか。
修学旅行で来た時には感じられなかった清浄な空気を胸一杯に吸い込んで、まずは207段の石段を登り…ま……す。
(日頃の運動不足が…)フゥ……。
二荒山神社の参道を歩くと、厳かな雰囲気に自然と背筋が伸びる気が。すれ違う人に挨拶しながら歩いていると、神社の清掃をされている方が、なぜこのエリアが世界遺産に登録されたのかを分かりやすく説明してくれました。豊かな自然に囲まれ、2つの神社(二荒山神社と東照宮)と仏教寺院(輪王寺)が一体となっている稀有な地域であることに加えて、国宝を含む数多く(103も!)の歴史的建造物群の価値によって選ばれたのだそうです。 行き当たりばったりの旅をする我々、全く知りませんでした。ありがとうございます。
神社に到着すると、珍しい銅鳥居(重要文化財)が出迎えてくれます。
美しい自然に囲まれた神社本殿。
この神社は「良縁」推しのようで、
境内には夫婦円満だったり、新しい縁を結んでくれたり、様々な縁結びの神様が。
???「いつまでも奥さんと一緒にいられますように」
???「新しい出会いがありますように」
ベンとカッペイがどちらの神様を拝んだかは内緒です。笑
こちらは日光連山を模した「日光連山遥拝所」。男体山の山頂に奉納されているという巨大な刀のレプリカが左端に刺さっちゃってます。
ベン「実物の4分の3スケールなんだって」
カッペイ「なら実物大でも良かったんじゃね?」
とか失礼なことを言いつつもしっかり参拝。
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10:00
日光東照宮
続いて「日光東照宮」に移動します。言うまでもなく、天下を統一し江戸幕府を開いた徳川家康公を祀る神社です。
東照宮と言えば、もちろん「陽明門」!!
数え切れないほどの彫刻の美しさに2人の口はパカーンと全開。一つひとつの彫刻のレベルの高さ、そしてこの圧倒的な数、凄くないですか? 正直、知識のない我々には龍なのか獅子なのか、はたまた象なのか分かりませんでしたが、美しさを感じるのに知識は要りません。 「考えるな、感じろ」というカンフー映画の名セリフが頭をよぎります。気付けば、常に音楽を奏でている2人の脳内も無音になるほど見入っていました。
あ、ちなみに家康公の墓所はこちら。門のきらびやかな雰囲気とは対照的にシンプルなデザインでした。
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11:00
油源→昨日のリベンジ〜日光人形みしまや〜
世界遺産をたっぷり見て歩いた我々は、東照宮からほど近い「油源」で栃木名物の湯波ランチをいただきつつ、午後の旅程の作戦会議。ベンは「栃木牛めし」、カッペイは「ゆばちらし」。当然完食です。
「京都と栃木がゆばの産地のツートップ。どちらも寺社を中心とした街なので、精進料理として発展したんですよ」。 「栃木の湯波は重ね合わせて厚みがあるので、食べ応えがあるんです」と女将さんが教えてくれました。「ゆば」ってちょっと苦手なイメージがありましたが、美味しかったです。ありがとうございます!
カッペイ「午後は鉄道旅を再開するから、日光駅に急ごう!」
ベン「了解! でも途中で昨日のリベンジするんで、よろしく!」
そう、東照宮の参道を下って日光駅に戻る道すがら、「みしまや」で昨日は売り切れで買えなかった人形焼きをゲット。
三猿のデザインがかわいい。リベンジ成功!
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13:00
出発〜SL大樹〜下今市駅へ。
さあ、午後からは「栃木鉄道旅」がスタートです。
まずは東武日光駅から、今回の旅のメインイベントと言っても過言ではない現役の蒸気機関車「SL大樹」に乗車!
出発するや、プラットフォーム上のお客さんや駅員さんらが手を振ってお見送り。 車内アナウンスで終始、車窓からの眺めを案内してくれたり、遠く離れた距離にいる地元の方々も大手を振って応えてくれたり、溢れる「大樹」愛を実感。
いい大人がハシャギまくってすみません。SLを見るとなぜか嬉しくなっちゃうんですよね。
ベン「機関車が出る映画は名作揃いなんだよなー。健さんのアレとか」
カッペイ「タイムトラベル映画の3作目とか」
大人の事情でタイトルは出せませんが(苦笑)、葛飾柴又のあの人の映画とか、「よもやよもやだ」のアニメ映画とか、SLが登場する映画について語っている内に目的地に到着しちゃいました。
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鈴木勉、杉本洋平
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職業:映像ディレクター
プロフィール:19xx年生まれ。映画、TV-CM、ショートフィルム、ミュージックビデオなど、幅広いジャンルの映像を手掛ける。
ROUTE MAP
※撮影日:2024年8月26日~8月27日
※掲載されている情報は2024年10月3日現在のものです。内容の変更等でご利用できない場合がありますので、あらかじめ出発前にご確認ください。